屋島ケーブル
平成16年10月15日で屋島ケーブルが廃止になると聞いて,10月13日に乗りに行きました。ケーブルカーに乗るのは実に32年ぶりの事です。
お昼過ぎ登山口駅に着いたのですが,私と同じく名残惜しんで乗りに来たと思われる人達の車で駐車場はすでに一杯でした。古びた待合室に切符売り場。
改札口をくぐると懐かしい「弁慶号」が停まっていました。
この時の乗客は20人程でしたが,皆思い思いの場所で記念撮影をしたり,景色を撮ったりしていました。
発車のベルが鳴り,ケーブルはガタン,ゴトンと音を立てて動き出しました。屋島の急斜面を力強く登って行きます。
しばらく登ると目の前に高松平野が広がって来ました。
そして線路が二つに分かれたとたん,上から「義経号」が降りてきました。下りのケーブルには遠足帰りと思われる保育園児が乗っていました。トンネルをくぐるとすぐ山上駅に着きました。
駅舎を出て振り返ると,昭和初期のままの古い建物がたたずんでいました。
駅前には浜田商店だけが今も営業していました。昔ここで「飯蛸」のおでんを食べた事を思い出し,とても懐かしく感じました。しかしこのお土産屋さんもケーブルと同じく,15日で店を閉めると聞き寂しくなりました。
この日は時間があったので北嶺まで足を伸ばしました。約4キロの道程をゆっくり太陽の日差しを浴びながら歩きました。並木通りを抜けると目の前には瀬戸内海が広がって来ました。しばらく景色を堪能した後引き返しました。
途中季節外れのツツジが一輪咲いており,ススキの向こうにはサンポートが霞んで見えました。
水族館の前でお遍路さんの集団とすれ違ったあと,市内が見下ろせる「獅子の霊巌」と呼ばれる場所に着きました。ここでコーヒーを飲んでいるとだんだん日が沈んで来たので夕日を見てから帰りました。